AIエージェントとは:定義・仕組み・具体例

AIエージェントとは、目標を達成するために周囲の状況を認識し、行動を判断し、それを実行するプログラムです。自律性の度合いは設計によって異なります。

Atakoのエージェントが執筆 · 確認・承認者 Romain Laodicina · Atako CTO

簡単な定義

AIエージェントとは、目標を達成するために、周囲の状況を認識し、単独で、あるいは外部ツールを介して行動を判断し実行するプログラムです。複数のステップを連続してこなし、実際に行動を起こせる点で従来のチャットボットとは異なり、自律性のレベルはプラットフォームによって幅があります。

詳しい定義

AIエージェントとは、周囲で起きていることを認識し、行動を判断し、それを実行するプログラムです。各ステップで人間の介入がある場合もない場合もあります。これは人工知能における「エージェント」という言葉の中でも最も古い定義であり、Stuart RussellとPeter Norvigによる定番教科書『Artificial Intelligence: A Modern Approach』に由来します。同書はエージェントを「センサーを通じて環境を認識し、アクチュエーターを通じてその環境に働きかけるものすべて」と定義しています(Wikipediaに引用されている定義を参照)。この定義は大規模言語モデルの登場以前のものですが、今なお通用します。

大手クラウド事業者も、それぞれ異なる言葉で同じ考えを示しています。IBMによれば、AIエージェントとは、利用可能なツールを使って自らステップの流れを組み立てながら、タスクを自律的に遂行するシステムです。Google Cloudの定義では、入力を処理し、利用可能なツールを使って推論し、その判断に基づいて行動することで目標を達成するアプリケーションとされています。Microsoftの説明は単刀直入です。エージェントと単なるアシスタントを分けるのは自律性であり、アシスタントは人を助け、エージェントは目標を達成する、としています。

3つの定義には共通点が一つあります。AIエージェントは、ツールを活用しながら認識・推論・行動を組み合わせるという点です。一方で、自律性の程度についてはわずかに見解が分かれます。Google Cloudはエージェントを最初から自律的なソフトウェア主体として説明していますが、Microsoftは「エージェント」という言葉を、常に人間の管理下に置かれるアシスタントとは対照的に、各ステップで承認を得ることなく目標を最後までやり遂げるシステムに限定して使う傾向があります。自律型AIエージェントは、この考え方をさらに一歩進めたものです。自ら行動の道筋を選び、一つのタスクの間だけでなく継続的に稼働します。

一般的な用法では、「AIエージェント」はやや何でも当てはまる言葉にもなっています。検索機能を一つ呼び出すだけのチャットボットが「エージェント」と呼ばれることもあれば、10のステップを完全に自律的にこなすシステムも同じ呼び方をされます。実際の自律性、メモリ、ツールへのアクセスの度合いは、製品によって大きく異なります。2つのサービスを比較する前に確認すべきなのは、資料に書かれた言葉ではなく、この実態の部分です。

仕組み

技術的には、AIエージェントは説明としては単純だが、うまく実装するのは容易ではないループの上で動いています。

  1. 認識(Perception):エージェントは、ユーザーからのメッセージ、イベント、ファイルの内容、他システムからの通知といった入力を受け取ります。
  2. 判断(Decision):言語モデルがこの入力を推論し、自らの指示とメモリに照らし合わせた上で、行動を選択します。IBMはこれを「エージェンティック推論」と呼んでいます。エージェントは決まったスクリプトに従うのではなく、自分の計画を継続的に見直します。
  3. 行動(Action):エージェントは選択した行動を実行します。多くの場合、ツールコーリング、外部関数の呼び出し、検索、ファイルへの書き込みといった形を取ります。
  4. 観察(Observation):行動の結果が新たな認識となり、目標が達成されるか、何らかの制限に達するまでこのループが繰り返されます。

エージェントと単純な自動化パイプラインを分けるのは、ステップの流れがあらかじめ書かれていないという点です。モデルは、どのツールをどの順序で呼び出すかを、そのつどみずから選びます。特定の箇所で言語モデルを呼び出しているとしても、常に同じ、あらかじめ決められた一連のステップに従うシステムは、厳密な意味でのエージェントというより、トリガーで起動するワークフロー型エージェントに近いものです。この違いは重要で、自律型AIエージェントと、都度トリガーで起動する自動化ツールとを分けているのは、まさにこの点です。

メモリも重要な役割を果たします。メモリがなければ、エージェントはやり取りのたびにゼロから始めることになります。メモリがあれば、以前のやり取り、すでに処理したファイル、予定されているタスクを覚えておけます。実際に利用できるメモリと自律性のレベルは、背後で動く言語モデルだけでなく、使用するプラットフォームによって大きく左右されます。

Atakoでの具体例

Atakoでは、エージェントは一度作成されるAIワーカーです。名前、指示、業務コンテキスト、モデルを設定した上で、単発のチャットセッションではなく、専用の隔離環境の中で継続的に稼働します。リクエストのたびにインスタンス化されるのではなく、常時アクティブな状態を保ち、チャット、メール、Webhook、スケジュールされたタスクなど、開放されたチャネルを通じていつでも呼び出すことができます。

具体例を挙げます。ある企業がサポート用のエージェントを作成し、Zendeskに接続したとします。この接続自体は、デフォルトでは何の権限も与えません。エージェントが実際に行動できるようにするには、明示的な「グラント(grant)」、つまり具体的な権限(例えば、チケットの閲覧と返信の作成は許可するが、ユーザーの削除は許可しない、といった内容)が必要です。これがAtakoのdeny-by-default(デフォルト拒否)モデルであり、ツールを接続することと、エージェントにその利用を許可することは、それぞれ別の操作です。

グラントが設定されると、エージェントは新しいZendeskチケットを認識し(認識)、自分で返信できるか、エスカレーションが必要かを判断し(判断)、許可された範囲内で該当するアクションを呼び出します(行動)。顧客の履歴を調べるといったサブタスクで助けが必要な場合は、追加のスロットを消費することなく、一時的なサブエージェントに委任することもできます。すべてのツール呼び出しはエージェントのアクティビティタイムラインに記録されるため、後から実際に何を行ったかを確認できます。

よくある誤解

AIエージェントとチャットボットを混同すること。 従来のチャットボットは一度に一つの質問に答え、やり取りの間の記憶は保持しません。AIエージェントは複数のステップを連続してこなし、ツールを呼び出し、目標に向けて文脈を保ち続けることができます。

「自律性が高いほど良い」と思い込むこと。 権限も制御もないまま、機微なタスクを完全に任されたエージェントは、進歩ではなくリスクです。適切な自律性のレベルは、流行ではなくタスクの内容によって決まります。

ツールに付与する権限を軽視すること。 「念のため」といった理由でエージェントに広範な書き込み権限を与え、本当に必要な範囲に限定しないことは、企業で最もよく見られる誤りです。

エージェントとトリガー起動型のワークフローエージェントを混同すること。 ある時点で言語モデルを呼び出すだけの、固定されたステップの連なりは、本来の意味でのエージェントとは言えません。最初から最後まで自ら道筋を選ぶ能力が欠けているからです。

さらに詳しく

単発のリクエストに応答するエージェントと、長期的な目標に向けて継続的に稼働するエージェントの違いをさらに詳しく知りたい場合は、自律型AIエージェントのページをご覧ください。従来の生成AIがどこで終わり、エージェンティックAIがどこから始まるのかを理解するには、生成AI vs エージェンティックAIをご覧ください。ユースケースやコストの論点も含め、テーマ全体を俯瞰するなら、自律型AIエージェントのピラーページが各観点を詳しく掘り下げています。AIエージェントとは何かの記事も同様です。

関連用語

よくある質問

AIエージェントはチャットボットと同じものですか。

いいえ、違います。チャットボットは一度に一つの質問に答えるだけで、別途メモリ機能を追加しない限り、やり取りの間で文脈を保持しません。AIエージェントは複数のステップを連続してこなし、外部ツールを呼び出し、前のステップの結果に応じて判断を調整しながら、単一の回答よりも大きな目標を達成できます。

AIエージェントと自律型AIエージェントの違いは何ですか。

「AIエージェント」という言葉は、一つの関数を呼び出すだけのアシスタントから、継続的に稼働するシステムまで幅広く指します。自律型AIエージェントはそこに明確な条件を加えたものです。長期的な目標を追求し、自ら行動の道筋を選び、ユーザーが毎回起動するのではなく、判断が必要な場面でのみ人間の関与を求めます。

AIエージェントには必ず外部ツールが必要ですか。

必ずしもそうではありませんが、実用性を高めているのはまさにその点です。ツールがなければ、AIエージェントは言語モデルがすでに知っていることに限定されます。検索、API、業務用コネクタなどのツールがあれば、単に応答するだけでなく、実世界に対して行動を起こせます。

AIエージェントは、制御なしに何でも実行できるのですか。

いいえ、少なくとも信頼できるプラットフォームではそうではありません。例えばAtakoでは、ツールを接続しただけでは、デフォルトで一切の権限は付与されません。エージェントが実際に実行できる各アクションには、明示的で具体的、かつ取り消し可能な権限が必要です。

人工知能における「エージェント」という言葉は、いつから使われていますか。

大規模言語モデルが登場するはるか以前からです。環境を認識し、それに応じて行動する合理的エージェントという概念は、1990年代にはすでにAI分野の代表的な教科書、特にRussellとNorvigによる著作で体系化されていました。LLMは、こうしたエージェントの構築と展開を格段に容易にしたにすぎません。

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出典

Romain Laodicina

Atako CTO

このコンテンツはAtakoのAIエージェントが執筆し、その後Atako CTOのRomain Laodicinaが確認・修正・承認しました。

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